茅嶋彩恵Shea代表取締役

 

先輩起業家インタビュー 第6弾

“社交ダンス”と“教育”を両立させる新しいスタイルである「文舞両道」を掲げ、相模原市を拠点に活動を展開している 株式会社Shea(シェア)。代表を務める茅嶋(かやしま)さんは、幼少期から競技ダンスに親しみ、プロとして数々の舞台や大会で成果を収めてきました。現在は社交ダンススクール「SPARK(エスパーク)」の運営に加え、社交ダンス専用アパレルブランド「Saetta(サエッタ)」も展開。令和6年度・7年度と2年連続で相模原アクセラレーションプログラム(SAP)に採択され、さらなる事業拡大を目指しています。

今回のインタビューでは、茅嶋さんに起業のきっかけやビジョン、今後の挑戦について詳しくお話を伺いました。

プロフィール

1991年3月 東京都出身
2013年 相模原市に移住/個人事業主として活動

<最終学歴>
2013年 慶應義塾大学 環境情報学部 卒業

<キャリア>
3歳より社交ダンスを始め、6歳より競技ダンスに出場
2013年9月〜 大学卒業後、JCF(日本プロフェッショナル競技連盟)に所属し、プロ競技ダンサーとしてデビュー/相模原市を拠点に、個人事業主として活動を開始
2022年3月 現役競技ダンサーを引退
2023年3月 株式会社Shea 設立
2023年4月 自身の引退記念イベントを開催し、約400名を動員
2023年11月 社交ダンス専門のアパレルブランド「Saetta」ローンチ
2024年6月 学びと社交ダンスを融合したスクール「SPARK」を相模大野にオープン

<受賞歴・実績>
バルカーカップ統一全日本ダンス選手権 5位
日本インターナショナル選手権 入賞
ユニバーサルグランプリ選手権 優勝
アジア選手権 5位

<法人設立日>
2023年3月3日


これまでにない新しいスタイル“文舞両道”に込められた想いとは?

はじめに、御社の事業概要について教えてください

私たちは「社交ダンス」と「学び」を融合させた事業を展開しています。
主力事業でもある社交ダンススクール「SPARK」では、現在4歳から90歳まで幅広い年齢層の方々が通っていただいておりますが、特に若年層への普及に力を注いでいます。
また社交ダンス専用アパレルブランド「Saetta」の運営もしており、2023年11月からはECサイトでの販売も開始しました。

社名やスクール名にはどんな想いが込められていますか?

社交ダンススクール「SPARK」スタジオ内の様子

会社名の「Shea(シェア)」は、「Share(共有する)」をベースに、“SHE”と“HE”を組み合わせた造語です。「老若男女問わず、みんなで分かち合える会社にしたい」という思いを込めています。

スクール名の「SPARK(エスパーク)」には、英語の“Spark=輝き”という意味に加え、“Sパーク”という言葉遊びを込めました。
「パーク(公園)」のように誰もが気軽に集まり、明るく親しみやすい場所でありたいという願いと共に、頭の“S”には「Social dance(社交ダンス)」「Study(学び)」「Sagamihara(相模原)」「SAランク(ダンス最高位)」といった、事業に深く関わるキーワードの意味も重ねています。

起業しようと思ったきっかけは何ですか?

私は6歳から競技ダンスを続けてきましたが、進学校に進んでからは学業との両立にとても苦労しました。学校が終わるとすぐにダンスへ向かい、帰宅は夜遅く。塾の時間には間に合わないため、家庭教師の先生にお願いして、ダンスから戻ったあと深夜まで勉強するという生活を送っていました。
ただ、自宅は本来休む場所ですから、どうしても集中力が続かず効率も上がらない。そんな時に「もし勉強する場所とダンスをする場所が一緒だったら、もっと集中できるのに」と思っていたことが、最初の発想の原点でした。
その後、プロダンサーとして活動を始めてからは、教え子の子どもたちが教室の床で宿題をしている姿を目にし、「やっぱり、習い事も勉強も両立できる環境をちゃんと形にしてあげたい」と強く感じるようになりました。こうした実体験の積み重ねが、私が起業を志したきっかけです。

今後描いているビジョンを教えてください

社交ダンスを単なる「習い事」にとどめるのではなく、「教育」へと昇華させたいと考えています。ダンスは身体能力の向上だけでなく、集中力や思考力を育み、非認知能力を培うことができる、教育的価値の大きい習い事です。
現状ではまだマイナーな存在ですが、その魅力と教育的な意義を事業を通してしっかりと実証していきたいと思っています。
また、今後のロードマップとしては、まず5年以内に子ども専用のスクールを設立し、10年後にはさらに事業を拡大したいと考えています。
その過程では、人材育成や広報活動にも力を注ぎ、現場での体験を大切にしながら、着実に進めていきたいと思います。
最終的には社交ダンスを通じて、子どもたちやそのご家族に健全な成長の場を提供していきたいですね。

会社を経営する中で感じる現在の課題は?

スタッフの確保と育成です。特に子ども向けの指導には独自のスキルが必要で、ステップの使い分けに加え、保護者への対応力も求められます。そのため、専門家である保育園の先生に相談したり、園で出張レッスンを行ったりしながら、実践を通じてノウハウを蓄積しています。

立ち上げ間もない中、SAPへ挑戦!

相模原アクセラレーションプログラム(SAP)に参加して得たことは?

開業直後で目標がまだ曖昧だった時期に参加しましたが、プログラムを通じて数値目標が明確になり、将来像の構想も具体化しました。
実証実験では保護者100名からアンケートを収集し、その結果をもとにカリキュラムやサービス内容を改善。新たに6名の顧客を獲得し、現在も継続して通っていただいています。さらに行政のサポートにより、こどもセンターでの広報もスムーズに進めることができました。

相模大野ステーションスクエア内での実証の様子

相模原市で起業するメリットはなんですか?

子育て世帯が多く教育需要が高いこと、都内へのアクセスが良いこと、さらに神奈川県内でも社交ダンス人口が多いことです。特に相模原は横浜に次ぐ規模で、スポーツが盛んな地域性も追い風になっています。

起業家として心がけていること

多忙な中でもモチベーションを維持する方法を教えてください

やはり基盤となるのは「健康管理」だと考えています。経営者自身が不健康であれば、組織全体に不安を与えかねません。だからこそ、心身のコンディションを整え、安定した環境を維持することを常に大切にしています。

先輩起業家としてのメッセージ

最後に先輩経営者として、起業する方に向けたメッセージをお願いします。

起業家は立ち上げ当初、あらゆる業務を一手に担わなければならないため、体力と健康こそが何より重要です。もちろん資金や人脈も欠かせませんが、まずは「健康第一」。事業と同じくらい、自身の身体と心を大切にする意識を持って活動してほしいと思います。これは自分自身への自戒も込めたメッセージです!


企業情報

会社名

株式会社Shea

所在地

〒252-0303 神奈川県相模原市南区相模大野3−18−10 アリスビル4F

設立年月

2023年3月

ホームページ

https://www.sspark-dance.com

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